税務最新情報の税務最新情報

2014年5月30日税務調査の重点項目

課税庁にも、当年度の努力目標が掲げられており、それによると平成25年度の調査事務充実を目指す事項として「富裕層事案」「無申告事案」「海外関連事案」「消費税課税適正化」が挙げられています。

富裕層、海外関連は今後も重点項目として掲げられるのでしょうが、今年は特に消費税への対応に力を入れるようです。

具体的には、平成25年度所得税の確定申告が行われており、 消費税のみが無申告の場合、平成26年4月から6月にかけて、全件に文書照会をおこなって、自主申告されないときには、7月から随時、着眼調査(半日ほどの簡易な調査)をおこなう方針だということです。

さらに、所得税・法人税を「主」とし消費税を「従」とする税務職員の意識を改革させるべく、調査における消費税の重要度割合を高めてゆく方針だそうです。

消費税については、少なくとも基準期間の課税売上高は、もれなくチェックされていると考えなければいけません。

 

 

公正取引委員会は4月23日、昨年施行された「消費税転嫁対策特別措置法」に基づく処分で、初の社名公表を行いました。

公取委のHPはこちら↓
http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h26/apr/140423tenka-kouhyou.html

社名を公表されたJR東日本の子会社は、納入業者による消費税増税分の仕入れ価格への転嫁を拒否したとして、業者負担分の支払いや再発防止を公取委から勧告されています。

4月1日以降、売上減を防止するためセールを企画し、全納入業者161社に文書で企画の参加を要請し、価格の引下げを要求していた点が、特別措置法第3条1号の納入業者に値引きを迫る「買いたたき」の規定に違反するとされました。

公取委は、これまで社名の公表はしない「指導」にとどめてきましたが、同社の売上規模や納入業者数を考慮のうえ判断し、社名公表に踏み切ったと言います。

最も重たいペナルティーをあえて課して、公取委は価格転嫁の徹底を呼びかける選択をしたということです。

 

 

法人税率引下げに伴う財源探しが続くなかで、役員や従業員の「福利厚生費」が標的になりそうです。

平成10年度税制改正では、社宅家賃をはじめとする福利厚生費が課税ベース拡大のターゲットとして挙げられましたが見送られた経緯があります。

過去の議論でペンディングになっていた項目は、法人税率引き下げに伴って、ふたたび見直しがなされることは避けられません。

福利厚生費に関しては、役員や従業員の給与所得課税の強化という側面と、法人の損金算入枠を新たに設けるという側面の2つの課税強化の方向が考えられます。

後者に関しては、一定枠以上の福利厚生費支出は利益分配であるという理論構成になるようです。

真っ先に狙い撃ちされそうなのが、社宅家賃の算出方法の見直しであるとも言われています。改正の動向を見極めながら、労使間の意見のすり合わせを早めに行う必要がありそうです。

 

 

4月分家賃の3月前受分については、新消費税率8%が適用されることは、既報の通りですが (2014年01月31日)、この処理についての問合せが多く寄せられます。

消費税法基本通達9-1-20で 「資産の譲渡等の時期は、当該契約又は慣習によりその支払を受けるべき日とする」とあるため、3月支払の前受家賃は5%でよいという解説記事などが出ていたため、混乱を招く結果になりました。

1月20日国税庁発表のQ&Aで、3月支払分でも4月家賃は8%になるとの解説があり、急きょ、上記見解に統一されました。

さて、3月受取り(支払い)の4月分家賃の消費税は、8%税抜き後5%分を仕入税額控除に当て、3%分を仮受金(仮払金)処理して翌期に繰り越したのち、翌期の仕入税額控除に当てることになります。

わずらわしい限りですが、このような会計処理を行ってください。

 

 

平成27年1月からの相続税大改正(大増税)と同時に、直系尊属からの贈与につき、税率の引き下げなどの措置がとられます。 生前贈与をしやすい環境が整うことになります。

確定申告の説明時に、「平成27年からですが」と強く前置きして、相続税対策としてご説明するようにしています。

110万円の基礎控除を引いた後の贈与額が、200万円超 400万円以下で5%税率引き下げ、400万円超 1000万円以下で10%税率引き下げですので、節税効果も相続税増税と相まって大きくなっていきます。

同時に、贈与税の調査件数が増えることも、念頭に置かなければなりません。「登記所通いは新人調査官の日課」と言われるように、登記簿情報は課税庁に筒抜けですし、法定調書の整備によって課税庁は調査のターゲットを絞りやすくなっているようです。

贈与の事実を把握して確実に申告することはもちろん、贈与者・受贈者の意思確認、受贈者が贈与税を負担すべきことの確認など、徹底して行わなければなりません。

 

 

消費税率引き上げを目前にして、転嫁対策法違反(所謂「下請けいじめ」)の特定事業者への立ち入り検査が本格化しているそうです。

多くの場合、政府の総合窓口センターへ「タレ込み」のあった事業者が対象になっているとみられます。

1月下旬に公表された調査結果では、164件のうち139件、つまり約85%が当局の指導を受けているということです。

立ち入り検査があった場合に、素直に検査を受け入れている限りは、勧告内容の公表などといった事態には発展しないようですので、まずは素直に検査を受け入れることと、納入業者への報復などは絶対に行わないことが肝心のようです。

 

 

平成27年から導入される相続税の増税に伴って、相続税の税務調査についてより深度あるものとすべく、税務当局はマニュアルを作成して準備をしているということです。

たとえば、「名義預金」とされるものの所属をめぐっては、客観的な証拠を集める事は難しく、その管理状況や運用状況について、相続人の証言に基づいて判断することが多いのが実情です。 このため法廷で納税者が証言を覆すことによって重加算税の根拠がなくなることも少なからずあります。

これに対応するため、マニュアルでは聴取書や調査報告書をその都度細かく作成して、証拠固めをするよう促しているそうです。

現在でも重加算税を課そうとする場合には、必ず修正申告前に「一筆」納税者に入れさせる慣行がありますが、あらかじめ課税庁職員が作成した原稿文を見ると必ずしも事実を正確に反映せず、拡大解釈を誘発させるものも散見します。

納税者にしてみれば何が重要な論点で、何を確認したいのかが不明確なまま、「その場の勢い」で署名させられるのではたまりません。

納税者も「一筆」入れる場合には、従来よりも一層注意をして不正確な申述を強いられないよう気を付けなければなりません。

 

 

二世帯住宅に対する小規模宅地の特例の緩和が、今年1月発生の相続から適用されますが、具体的取り扱いについての説明が、国税庁から公表されています。

 国税庁HPの説明箇所 (資産税課情報第1号) はこちら↓
 http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/sozoku/140115/pdf/01.pdf

事例を挙げた説明では、例えば、区分所有登記されていない建物に、被相続人甲と、相続人乙が居住しており、相続発生後相続人乙が居住を継続するとともに、いわゆる「家なき子」相続人丙が甲居住部分を取得した場合の適用について説明しています。

この場合、相続人甲取得分、乙取得分の土地はともに特定居住用宅地として、特例の適用になるとしています。

また問い合わせの多かった、甲と乙が「生計一」であった場合にも、丙取得土地に対して、特例適用があるとしています。

 

 

2014年2月20日立退料の所得区分

先般、弁護士が原告となる税務訴訟で、弁護士会役員が懇親会等に出席する費用が必要経費として認められる最高裁判決が出たところですが、今日ご紹介する事案は、裁判所が原告弁護士に不利益な判断を下したケースです。

弁護士である原告が、法律事務所の移転に伴い賃貸人から取得した「立退料」の所得区分が問題となっていた事案で、東京地裁は1月25日、立退料は事業所得に該当するとの判断を示しました。

原処分における事業所得との判断に対して、原告である弁護士は、立退料は弁護士の職務とはまったく関係ない収入であるため事業所得に該当せず、一時所得であると主張していました。 裁判所はこの判断を退け、課税庁の主張を認めたわけです。 

裁判所は、弁護士が業務を行う際には、弁護士法により法律事務所を設けることが必要とされ、その維持および管理の業務は、所得税法施行令94条1項の注書きにおける「事業所得を生ずべき業務」に含まれる、としています。 そのうえで、今回の立退料は、旧事務所から新事務所への法律事務所の移転に伴い増加する事業所得に係る必要経費を補填する趣旨のものであるから、所得税法施行令94条1項2号の規定により、事業所得に該当すると結論付けています。

所得税法施行令94条

不動産所得、事業所得…を生ずべき業務を行なう居住者が受ける次に掲げるもので、

その業務の遂行により生ずべきこれらの所得に係る収入金額に代わる性質を有するものは、これらの所得に係る収入金額とする。

 二 当該業務の全部又は一部の休止、転換又は廃止その他の事由により当該業務の収益の補償として取得する補償金その他これに類するもの

 

 

卸売業を営む顧問先からのご指摘です。

消費税率引き上げを目前にして、小売業者に駆け込み需要を促すよう検討していたけれども、とんでもない間違いであることに気が付いた。 先方が本則課税を採用しているならば、税率引き上げ分は、仕入税額控除されるため結果、負担額は変わらないことになってしまう。

先方との事後的なトラブルを避けるため、営業マンには消費税率引き上げを理由にしたセールスを一切行わないように通知した、と言われるのです。

まったくご指摘のとおりであり、そのような事態を想定していなかったことを恥じるばかりでした。

このケースのように、売上先が小売業である場合には、事業者間で転嫁してゆく仕組が明確なのでイメージがしやすいかもしれませんが、例えば商品が事務消耗品などで購入企業が最終消費者である場合には、消費税の転嫁のイメージを抱きにくいと思います。

いきおい、税率5%の間に早めに購入しようという駆け込み需要に乗ってしまう (促してしまう) 結果になります。

もちろん購入者が免税事業者や簡易課税選択事業者、あるいは課税売上割合の低い医療機関や居住用賃貸不動産業者などの場合には、純粋な転嫁がされないため、税率5%のうちに安い買い物をした方が、単純に得にはなります。

しかしながら、これは例外的なケースだと認識しなければなりません。

継続的な取引先に、後々トラブルの種をまくような営業は致命傷になりかねません。

駆け込み需要に対する対応は、くれぐれも気を付けなければならないと感じました。

 

 

平成26年度税制改正では、交際費等の額のうち、飲食のために支出する費用の50%の損金算入を認める特例が設けられており、平成26年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する事業年度に適用されます。

この制度の解釈を巡って、大綱発表当初から、若干の混乱が見られましたので整理をしてみます。

1. 大法人も、5,000円基準を適用可能

 大綱の書きぶりが、中小法人について飲食費50%との選択が可能というものだったため資本金1億円超の大法人については、「特例」の選択が認められないと解釈する向きもありました。 その後、大法人についての5,000円基準適用が確認されています。

2. 飲食費の50%は5,000円基準該当分を差し引いた残額に対して中小法人が「選択」できるのは、飲食費の50%損金か800万円頭打ち損金かのいずれかなので、5,000円基準はどちらを選択しても適用されます。

 したがって、50%飲食費の制度を採用する際にも、5,000円基準該当分は、まず差引いて計算することになります。

3. 社外交際の飲食費ならすべてOKではない

 50%損金飲食費は、5,000円基準における飲食費の範囲と同様になるとみられるので、ゴルフ、観劇、旅行等の催事に際しての飲食費は対象になりません。

 

 

不動産の賃貸料は翌月の家賃を前月に支払う「前受」契約になっていることが多く、この場合、平成26年4月分の家賃を3月に支払うことになります。

多くの解説記事では、実際に支払いを受ける3月が資産の譲渡時期なので、3月受け取りの4月分家賃に係る消費税率は5%となるというものでした。 またこの根拠として消費税法基本通達9-1-20が挙げられていました。

ところが平成26年1月20日に国税庁から発表された「消費税率引上げに伴う資産の譲渡等の適用税率に関するQ&A」では、新税率8%を使うのが正解とされています。

国税庁Q&Aはこちらから↓
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/shohi/kaisei/pdf/201401qa.pdf

国税庁は、基本通達9-1-20は適用税率引上げを想定したものではないと判断し、新法が施行日以降の資産譲渡等に対して適用されるべしという大前提に立つもののようです。

税務雑誌など色々なところから、記事訂正の報告とお詫びの文書が届いています。

実務において間違いのないように気を付けたい点です。

 

 

課税当局は、中小企業投資促進税制の適用誤りの「よく見られるケース」について発表しています。

それによると、

① 資本金1億円の法人が税額控除を適用するケース

② CTスキャナなどの医療機器を機械装置として適用するケース

③ 貨物運送用小型自動車を適用対象とするケース

などの誤りが多いそうです。

①については、税額控除は資本金3千万円以下に限定。

②については、医療機械は「器具備品」であって「機械装置」ではない。

③については車両総重量が3.5トン以上のみ適用可。

なので、①、②については書類チェックレベルですぐに間違いに気が付く事項です。 

CTスキャナなど「見た目は明らかに機械」ですが、よくある間違いであることは、前から指摘されているポイントです。

3月決算に向けて間違いの無いよう気を付けたいところです。

 

 

今年発生の相続から、二世帯住宅の小規模宅地特例の適用要件が大幅に緩和されることは周知のとおりです。完全独立型の二世帯住宅であっても、その敷地部分は「被相続人との同居」と同様に評価減ができるという改正です。

また、親子二世帯の持分を「区分登記」していては、この特例は適用できないため、「共有持分」で登記しなければならない、というのも知られるようになってきました。

ところが、不動産取得税や固定資産税、都市計画税といった他の税金の特例を考えると、必ずしも「共有持分」が得とも断言できないことがわかってきました。

不動産取得税に関しては240㎡以下の課税標準について1200万円を控除でき、固定資産税については200㎡以下の分の評価額が6分の1、200㎡長の部分が3分の1となる優遇措置が、「1戸ごとに」適用されます。

つまり、2世帯で区分登記してしまえば、不動産取得税、固定資産税等の特例を2世帯分適用が可能ということです。

相続税負担が確実に発生し、地価も高い宅地ならば、小規模宅地の特例適用は外せないでしょう。 しかし相続税課税の可能性が極めて低いと予想される場合には、不動産取得税、固定資産税等の優遇を受けるべきです。

まずは、不動産取得税、固定資産税等の試算をすることが必須だと考えます。

 

 

法人や個人が特定事業用資産(店舗、事務所やその敷地)を譲渡し、一定の要件を満たす事業用資産について買い換えた場合、課税を繰り延べる措置について、3年間延長する旨が平成26年度税制改正に盛り込まれています。

措置法37条5号では譲渡資産について短期所有(5年以下所有)の土地には、この特例を適用しない旨が規定されている一方で、同条10項では「個人」のみ短期所有物件の譲渡でも適用可能とされていました。 つまり、10年間の所有期間の定めのある1号・9号買換「以外」の買換え特例につき、短期所有土地について、法人は「不可」、個人は「可」という区別がされてきました。

今回の税制改正大綱では、法人課税についての記載はあるものの、「所得税についても同様とする」という文言があるのみで、個人についての短期所有土地の取り扱いが、従来通りなのかどうかが不明確でした。

担当省庁などからの回答では、個人については従来通り、短期所有土地についても課税繰り延べ措置が認められるということです。 よく使われる9号買換えについては10年間の所有が要件であるため、いずれにしても短期所有土地には適用はありません。