今年発生の相続から、二世帯住宅の小規模宅地特例の適用要件が大幅に緩和されることは周知のとおりです。完全独立型の二世帯住宅であっても、その敷地部分は「被相続人との同居」と同様に評価減ができるという改正です。
また、親子二世帯の持分を「区分登記」していては、この特例は適用できないため、「共有持分」で登記しなければならない、というのも知られるようになってきました。
ところが、不動産取得税や固定資産税、都市計画税といった他の税金の特例を考えると、必ずしも「共有持分」が得とも断言できないことがわかってきました。
不動産取得税に関しては240㎡以下の課税標準について1200万円を控除でき、固定資産税については200㎡以下の分の評価額が6分の1、200㎡長の部分が3分の1となる優遇措置が、「1戸ごとに」適用されます。
つまり、2世帯で区分登記してしまえば、不動産取得税、固定資産税等の特例を2世帯分適用が可能ということです。
相続税負担が確実に発生し、地価も高い宅地ならば、小規模宅地の特例適用は外せないでしょう。 しかし相続税課税の可能性が極めて低いと予想される場合には、不動産取得税、固定資産税等の優遇を受けるべきです。
まずは、不動産取得税、固定資産税等の試算をすることが必須だと考えます。