2014年3月の記事

4月分家賃の3月前受分については、新消費税率8%が適用されることは、既報の通りですが (2014年01月31日)、この処理についての問合せが多く寄せられます。

消費税法基本通達9-1-20で 「資産の譲渡等の時期は、当該契約又は慣習によりその支払を受けるべき日とする」とあるため、3月支払の前受家賃は5%でよいという解説記事などが出ていたため、混乱を招く結果になりました。

1月20日国税庁発表のQ&Aで、3月支払分でも4月家賃は8%になるとの解説があり、急きょ、上記見解に統一されました。

さて、3月受取り(支払い)の4月分家賃の消費税は、8%税抜き後5%分を仕入税額控除に当て、3%分を仮受金(仮払金)処理して翌期に繰り越したのち、翌期の仕入税額控除に当てることになります。

わずらわしい限りですが、このような会計処理を行ってください。

 

 

平成27年1月からの相続税大改正(大増税)と同時に、直系尊属からの贈与につき、税率の引き下げなどの措置がとられます。 生前贈与をしやすい環境が整うことになります。

確定申告の説明時に、「平成27年からですが」と強く前置きして、相続税対策としてご説明するようにしています。

110万円の基礎控除を引いた後の贈与額が、200万円超 400万円以下で5%税率引き下げ、400万円超 1000万円以下で10%税率引き下げですので、節税効果も相続税増税と相まって大きくなっていきます。

同時に、贈与税の調査件数が増えることも、念頭に置かなければなりません。「登記所通いは新人調査官の日課」と言われるように、登記簿情報は課税庁に筒抜けですし、法定調書の整備によって課税庁は調査のターゲットを絞りやすくなっているようです。

贈与の事実を把握して確実に申告することはもちろん、贈与者・受贈者の意思確認、受贈者が贈与税を負担すべきことの確認など、徹底して行わなければなりません。

 

 

消費税率引き上げを目前にして、転嫁対策法違反(所謂「下請けいじめ」)の特定事業者への立ち入り検査が本格化しているそうです。

多くの場合、政府の総合窓口センターへ「タレ込み」のあった事業者が対象になっているとみられます。

1月下旬に公表された調査結果では、164件のうち139件、つまり約85%が当局の指導を受けているということです。

立ち入り検査があった場合に、素直に検査を受け入れている限りは、勧告内容の公表などといった事態には発展しないようですので、まずは素直に検査を受け入れることと、納入業者への報復などは絶対に行わないことが肝心のようです。

 

 

平成27年から導入される相続税の増税に伴って、相続税の税務調査についてより深度あるものとすべく、税務当局はマニュアルを作成して準備をしているということです。

たとえば、「名義預金」とされるものの所属をめぐっては、客観的な証拠を集める事は難しく、その管理状況や運用状況について、相続人の証言に基づいて判断することが多いのが実情です。 このため法廷で納税者が証言を覆すことによって重加算税の根拠がなくなることも少なからずあります。

これに対応するため、マニュアルでは聴取書や調査報告書をその都度細かく作成して、証拠固めをするよう促しているそうです。

現在でも重加算税を課そうとする場合には、必ず修正申告前に「一筆」納税者に入れさせる慣行がありますが、あらかじめ課税庁職員が作成した原稿文を見ると必ずしも事実を正確に反映せず、拡大解釈を誘発させるものも散見します。

納税者にしてみれば何が重要な論点で、何を確認したいのかが不明確なまま、「その場の勢い」で署名させられるのではたまりません。

納税者も「一筆」入れる場合には、従来よりも一層注意をして不正確な申述を強いられないよう気を付けなければなりません。