法人税率引下げに伴う財源探しが続くなかで、役員や従業員の「福利厚生費」が標的になりそうです。
平成10年度税制改正では、社宅家賃をはじめとする福利厚生費が課税ベース拡大のターゲットとして挙げられましたが見送られた経緯があります。
過去の議論でペンディングになっていた項目は、法人税率引き下げに伴って、ふたたび見直しがなされることは避けられません。
福利厚生費に関しては、役員や従業員の給与所得課税の強化という側面と、法人の損金算入枠を新たに設けるという側面の2つの課税強化の方向が考えられます。
後者に関しては、一定枠以上の福利厚生費支出は利益分配であるという理論構成になるようです。
真っ先に狙い撃ちされそうなのが、社宅家賃の算出方法の見直しであるとも言われています。改正の動向を見極めながら、労使間の意見のすり合わせを早めに行う必要がありそうです。