2013年の記事

2013年12月27日交際費課税の緩和

顧問先の忘年会などのお誘いを受けると、交際費に対する課税が緩和されることに話題が及ぶことが多くなりました。

平成26年度税制改正大綱で、大企業にも飲食費に限り、支出額の50%までが青天井で損金算入可能になったことが特に話題になっています。

この措置は中小企業にもおよび、800万円までを損金とするか、飲食費の50%を損金とするかが選択可能となります。

単純計算では、飲食費が1600万円を超える場合には、800万円の枠を使うよりも飲食費の50%の方が損金計上額は上回ることになりますが、まれなケースだと思います。

なお上記「飲食費」には、社内交際費は含まれませんので、充分な注意が必要です。 
また業務に関連しない役員のプライベートな交際費は、当然に損金算入の対象にはなりませんので、改めて注意をしてください。

 

 

平成26年度税制改正大綱では、税務調査の手続きに関する変更も盛り込まれています。

平成25年の調査から、調査開始に関する事前通知は、納税者と税理士の両者に向けて行うことが義務付けられていました。

しかし、納税者のほとんどが調査の詳細について、税理士へ通知してほしい旨希望するため、納税者に対する事前通知は、なかば形骸化したものになっていました。

そこで、平成26年7月から行われる調査から、代理権限証書にその旨の記載がある場合に限って、納税者への通知に代えて税務代理人に対する通知のみで事前通知を完了させることが決まりました。

忙しい納税者は、事前通知を受けるためだけに時間調整をしてもらうこともあったため、今回の改正で無駄な時間を使うこともなくなるわけです。

代理権限証書の「書式」も含めて、事務所の緊急の課題にしたいと思います。

 

 

ゴルフ会員権の譲渡損失に係る損益通算が、今年一杯で廃止という新聞報道が先月末になされたこともあり、いまだに今年中の廃止を前提に売買がなされているケースがあるようです。

12日発表の税制改正大綱では、廃止は来年4月1日以後譲渡からとされましたが、これについて周知されていないということです。

ゴルフ会員権は年内の売却を急ぐため「投げ売り」が発生し、相場が暴落しているという話も聞きます。

今回、納税者への不利益遡及となる1月1日廃止を避けたのは、平成16年の不動産譲渡損失の不利益遡及が多くの訴訟を引き起こしたため、同様のトラブルを避けようという思惑が働いたからだと言われています。

個人所得税の改正は1月1日が原則とされていた従来の考え方が、今回の改正によって完全に改められたと言えます。もちろん12月31日で特例措置が期限を迎えるものについては1月1日に新制度に移行します。マイホームの買換え特例など今年の不利益改正もこれに当たります。

 

 

平成26年度税制改正大綱に盛り込まれた、「生産性向上設備投資促進税制」について、「生産ラインやオペレーションの刷新・改善」によって同制度の適用を受ける場合、設備の取得は経産局の確認を受けた後でなければならないことが明らかになりました。

同制度のうちBパターンに該当する「生産ラインやオペレーションの刷新・改善は投資収益率が(中小企業に関しては)5%以上であることが求められ、その事実を税理士・会計士が「事前確認書」でまとめなければなりません。

この事前確認書を最寄りの経産局に提出し、その後1か月以内に「確認書」が発行される手順になっています。

事業計画がまず先にあり、設備投資が決まっているにもかかわらず、減税措置を受けるために、ぐずぐずと導入を先延ばしするという可能性もあるわけです。

早期の着手を心掛けなければなりません。

 

 

平成26年度税制改正大綱における、認定医療法人の相続税納税猶予制度に注目が集まっています。

認定制度そのものは、今後の医療法改正によって輪郭が明らかになるので、本当に「使える」制度なのかどうかは、いまだ明確ではありません。

社会保障審議会医療部会の「医療法等改正案 参考資料」によると、法律に基づく移行計画を策定し、これを「都道府県知事」が認定する制度を「移行促進策」として掲げています。

一方、昨年末に厚労省から出された改正要望に盛り込まれた、相続税・贈与税の納税猶予措置では、納税猶予の要件として相続税法66条4項の不当減少についての判定要件と同様のものとうたっていました。

昨年の厚労省要望と、今回の税制改正大綱に盛り込まれた「納税猶予制度」の違いとして以下の点が挙げられると思います。

① 今回改正は「医療法改正」を受けて導入されるものであること

② 認定制度の施行の日から3年以内に厚労大臣の認定を受ける「期限を切った」
  制度であること

以上の点から、平成25年厚労省要望に見られた納税猶予制度とは、ニュアンスの違ったものになる可能性があります。

逆に、全く同じものであればほとんど使えない制度ということになるのですが。

医療法改正の推移を見守りたいと思います。

 

 

平成26年度税制改正大綱が昨日発表されました。

  平成26年度税制改正大綱↓
  http://jimin.ncss.nifty.com/pdf/zeisei2013/pdf128_1.pdf

注目したものの一つに「医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の創設」があります。

平成25年度に厚労省から出されていた納税猶予制度と同様のものと予想していましたが、実際の文言に当たってみると、どうも様子が違います。

納税猶予の対象となる「認定医療法人」について、次のように記されています。

  認定医療法人(仮称)とは、良質な医療を提供する体制の確立を図る
  ための医療法等の一部を改正する法律に規定される移行計画(仮称)
  について、認定制度の施行の日から3年以内に厚生労働大臣の認定
  を受けた医療法人をいう。(傍線引用者)

「良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律」とは、今後国会で審議され制定されるものですが、平成18年の第5次医療法改正時にも同一名称の法律が制定されています。

その新法で、「認定制度」や「移行計画」の詳細が固まる予定であり、大綱では「認定制度の施行の日から3年以内に」厚労大臣の認定を受けることが要件となっています。

これは、制度の施行日から3年間の時限的特例措置という意味で解釈してよいのでしょうか。

そうであるとすると、認定法人の要件についても平成25年厚労省要望に記載されていたものとは、全く異質の制度となることも考えられると思います。

今後の立法のゆくえを注意深く見つめる必要があります。

 

 

2013年12月11日簡易課税制度の改正

13日にも発表される予定の、平成26年度税制改正大綱の内容が少しずつ明らかになってきました。

交際費課税の緩和など新聞などで大きく報じられている他に、納税者にとって不利益な改正案も見られます。高額所得者の給与所得控除の減額のほかに、消費税関係の重要な変更も予定されています。

消費税簡易課税制度のみなし仕入れ率の改正は、毎年の税制改正で話題に上っていましたが、今回は厳しい改正が現実のものになりそうです。

・ 不動産業のみなし仕入れ率が現行の50%から40%に引き下げられ、

・ 金融業・保険業については現行の60%から50%に引き下げられる

というのが具体的な改正内容です。

平成27年4月1日以後開始の事業年度から適用される予定です。

該当業種は、税率アップとは別に、資金繰り対策が必要になってきます。

 

 

ゴルフ会員権の譲渡所得の損失と他の所得との通算が、平成26年度税制改正で廃止になる見通しです。

廃止の方向は明白として、その実施時期がいつになるかが毎年の税制改正時期の関心事でしたが、ついに廃止のときが来るようです。

平成26年1月1日以後の取引から、損益通算が不可となるようですので、売却損を計上するならば、あと1か月しか残されていません。

この税制改正法案が国会を通過するのが来年3月あたりですので、あきらかに遡及して納税者に不利益な措置が法定されることになります。

平成16年に不動産の譲渡損失が、他の所得と損益通算不可となった時は遡及的に納税者に不利益になる法制の適否が最高裁まで争われましたが、問題なしとの判決が出ています。

繰り返しになりますが、ゴルフ会員権の売却損を有効に発生させるには、おそらく1か月の時間しか残されていません。悔いのないように決断すべき時です。

 

 

平成26年度税制改正大綱は12月12日(木)に決定する見込みで各項目の調整に入っています。

気になる動きとしては、「役員給与に係る給与所得控除の縮減措置」が財務省の強い意向で盛り込まれようとされていることです。

平成22年に廃止された、悪名高い「一人オーナー課税制度」に代わるものとして平成23年度改正案に盛り込まれながら見送られていた増税措置が、ここにきて再登場するという話です。

役員給与の額が、2000万円から4000万円の間は給与所得控除額が逓減され、4000万円を超えると125万円の控除で頭打ちになるというのが、23年度改正案でした。

給与所得控除を一定額を上限に、頭打ちになるという措置に関しては甘受できても、一定額を超えると減額される措置の合理性を見出すのは困難です。

自民党税調の議論を注視したいと思います。

 

 

政府税制調査会では、国境を超えた役務提供等に対する消費税課税について議論をしています。

現行は資産の譲渡・貸付があった場合には、その資産の所在場所で、役務提供が行われていた場合にはその事務所所在地によって、「内外判定」を行い、消費税の課税・不課税の判断を行っています。

しかしながら、この判定基準ではインターネットなどを利用した役務提供の課税が適正に行われないおそれがあるとして、基準の見直しを行っているわけです。

財務省資料は以下の通り↓
http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/discussion1/2013/__icsFiles/afieldfile/2013/11/14/25dis12kai4_1.pdf

財務省は、B to C取引、B to B取引それぞれについて課税案を提出していますが、取引規模に応じた取り扱いの必要や、実際の執行上の問題点などから、議論はまとまらず、平成26年度税制改正大綱に改正方針を盛り込むのは難しい状況だそうです。

今後の税制調査会の議論に注目したいと思います。

 

 

太陽光発電設備については即時償却が認められ、税制上の優遇措置が認められることは周知のとおりです。

この優遇税制を使うことで、会社の利益が圧縮できたため、自社株を低めに評価でき贈与などのチャンスだと考える方もおられると思います。

類似業種比準価額の計算の所得計算上、即時償却による損金計上分はマイナスして計算して構いません。この点、実務家の間で若干の不安があったようですが、問題なくマイナスして計算することができます。

ただし純資産評価額を計算するに当たっては、簿価ゼロのまま評価してはいけません。

定率法で償却したものとして、別途に評価しなおす必要があります。

自社株贈与などのチャンスであることは間違いないので、詰めの部分で間違いがないように気を付けたいものです。

 

 

最高裁判決が、非嫡出子の差別を違憲と判断したのを受けて、課税庁も相続税法の取扱を変更することを決定したことは既報の通りです。

国税庁のHPに詳細が記載されていますのでご紹介します。↓
nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h25/saikosai_20130904/

通常の実務において気を付けるべきは、9月5日以後に「申告期限」が到来するものについては、従来と取り扱いが異なると考えておけば間違いないでしょう。

ところで最高裁判決は、非嫡出子に対する取り扱いが違憲状態となっていたのは、平成13年ごろからであると判示しています。にもかかわらず、税務の取り扱いが平成13年まで遡って更正の請求などを認めていないのは、同判決に「確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼすものでない」旨の記述があるからだそうです。

個別の事案ごとに検討すべきことが多すぎるので、一律に過去に遡っての判断は難しいと考えたのだと思います。

 

 

非嫡出子の法定相続分を嫡出子の2分の1とする民法の規定を、「違憲」とする最高裁判決を受けて、国税庁は相続税の取り扱いを改めることを公表しました。

判決翌日の9月5日分以後の申告または処分から、嫡出子と非嫡出子の相続分を平等なものとして、相続税額の総額を求めることになります。

従来は嫡出子の相続分が相対的に大きく、税率の高いところで計算したうえで、総額計算を行っていたのに対し、今回の改正で税率がフラットで相対的に低率を適用できる可能性があるため、相続税額総額が下がるケースも考えられます。

ちなみに、9月4日以前に申告したものについて、最高裁判決を理由に更正の請求をすることはできない、としています。

 

 

税務調査の結果、重加算税が課せられる項目のトップが「期ずれ」なのだそうです。

本来、当期に上がるべき売上を翌期に延ばしたり、経費の先取りをしたりといった内容を「期ずれ」と呼び、税務調査では、必ずチェックの対象となる項目です。

しかし、長期の視点で見れば、所得計算にマイナスが生じるわけでもないため、重加算税の対象と考えるには、極めて抵抗のある非違事項でした。

売上の繰り延べを意図的に行った場合でも、たとえば、来期の売上ノルマのハードルを引き下げるためなど、必ずしも税負担軽減を図っているとはいえないケースが見られるようです。

従って、同じ「仮装」でも、「質」が違うという認識がどこかにありました。

また、課税庁の側でも「期ずれ」に重加算税を課さないという内部通達があったようで、これが期ずれと重加算税が結びつかない大きな要因ともなっていました。

しかし、このような「常識」も完全に過去のものとなってしまったようです。

期ずれが重加算税の項目トップという事実は、当局の強い姿勢を表しています。

 

 

消費税転嫁対策特別措置法で、零細事業者の価格転嫁を阻害するような表示方法を禁止する規定が置かれています。既報の通り、その具体的な内容は法律の条文ではなく消費者庁のガイドラインに明記されるかたちで周知されます。

9月10日、そのガイドラインが消費者庁から公表されました。

 消費者庁のガイドラインは以下の通り↓
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/250910tenka2.pdf

当初は禁止するとみられていた、「3%還元」や「3%値引き」「3%ポイント還元」などは問題ないとされたものの、「消費税増額分値下げ」のように、消費税率引き上げに直接言及する表現は禁止されるようです。

なおガイドラインには書いていないものの「消費税増額分、増量」などの表示も、消費税に直接言及しているため、禁止の対象となるということです。