税務調査の結果、重加算税が課せられる項目のトップが「期ずれ」なのだそうです。
本来、当期に上がるべき売上を翌期に延ばしたり、経費の先取りをしたりといった内容を「期ずれ」と呼び、税務調査では、必ずチェックの対象となる項目です。
しかし、長期の視点で見れば、所得計算にマイナスが生じるわけでもないため、重加算税の対象と考えるには、極めて抵抗のある非違事項でした。
売上の繰り延べを意図的に行った場合でも、たとえば、来期の売上ノルマのハードルを引き下げるためなど、必ずしも税負担軽減を図っているとはいえないケースが見られるようです。
従って、同じ「仮装」でも、「質」が違うという認識がどこかにありました。
また、課税庁の側でも「期ずれ」に重加算税を課さないという内部通達があったようで、これが期ずれと重加算税が結びつかない大きな要因ともなっていました。
しかし、このような「常識」も完全に過去のものとなってしまったようです。
期ずれが重加算税の項目トップという事実は、当局の強い姿勢を表しています。