消費税率引き上げを含む「税制抜本改革法案」は、所得税の最高税率引き上げを除いて、平成23年度税制改正の内容をそのまま引き継ぐ内容であることが判明しました。
このため、全体に目新しさは感じられませんが、消費税の免税制度に関する規定について、社会保障と税の抜本改革大綱以上に踏み込んだ箇所があり、注目されています。
社会保障と税の抜本改革大綱では、新設法人を直接・間接に50%超保有する事業者の課税売上高が5億円を超える場合には、当該新設法人を免税事業者としない旨が記載されていました。
今回の税制抜本改革法案は、これに加え、当該50%超保有する事業者と「特殊な関係にある法人」の課税売上高が5億円を超える場合にも、当該新設法人を免税事業者としない旨の規定が設けられています。
これによると、新設法人を直接・間接に保有する法人の課税売上高が5億円を超えない場合においても、例えばその法人の実質100%出資法人の課税売上高が5億円超である場合、新設法人は免税事業者として認められないことになります。
新設法人を利用した節税スキームに対しては徹底した封じ込めをしようという、財務省の強い意思が見られます。