今年3月30日付で、厚生労働省医政局から、各都道府県厚生局に向けて、医療法人とMS法人の役員に関する通知が出されています。
「医療法人の役員と営利法人の役職員の兼務について」↓
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/igyou/dl/midashi_shinkyu120330b.pdf
これによると、「原則として」という前置きはあるものの、開設者である個人や医療機関の管理者(院長、施設長)については、「当該医療法人の開設・経営上利害関係にある営利法人等の役職員を兼務していないこと」と、されています。
また、医療法人の役員についても、原則としてMS法人の役職員を兼務しないこと、とされています。
ただし上記は原則論であり、ただし書きにおいて、医療法人の場合以下のケースであれば例外を認めるとされています。
①MS法人からの物品購入、賃貸、役務の提供の商取引があり、医療法人の理事長ではないこと
②MS法人の規模が小さく、役職員を第三者に変更することが直ちには困難であること
③契約の内容が妥当であること
上記①、②、③のすべてを満たす場合であって、かつ医療法人の非営利性に影響を与えることがないものであれば、役員兼務が例外的に認められることになります。
さらに、医療法人が使用する土地又は建物をMS法人が賃貸する場合には、以下のような条件を満たせば例外が認められるとされています。
① 土地又は建物を賃貸する商取引があり、MS法人の規模が小さいことにより、役職員を 第三者に変更することが直ちには困難であること
② 契約の内容が妥当であること
上記①、②の条件を満たし、医療法人の非営利性に影響を与えることがないものであるときには、役員兼務が認められるとされています。
土地、建物に関しては、その取得にあたり医療法人の理事長が銀行融資の保証人になっているケースが多く、MS法人の代表者からはずれることも難しいことがあるため、上記のように、ややハードルが低めになっているものと思われます。
今後、MS法人の役員に関して、具体的な指導があるものと考えられます。役員兼務を継続する場合には、上記条件をクリアすることを確認する必要があります。