平成27年度税制改正大綱に盛り込まれた「出国時課税制度」は、富裕層をターゲットとした税制として注目を集めています。
有価証券等対象資産を1億円以上保有している個人が、キャピタルゲイン非課税国に移住して、売却益課税を逃れることを防ぐことを目的とし、含み益に対して出国時に課税するという制度です。未実現利益への課税ですので、5年間の納税猶予というかたちで納税者をけん制するにとどめ、実際売却時に納税猶予が解除されるという仕組みになっています。
さて、この制度の対象者は「出国直近の10年以内で5年超居住者であった者」となっています。この要件を満たす限り、外国人も制度の対象となることが確認されています。
外資系企業の社員である外国人が、日本に居住している間に株式を購入し、これをキャピタルゲイン非課税国であるシンガポールなどに転勤して売却するといったケースでも、当然に出国時課税制度が適用となるようです。
同制度は、平成27年7月1日出国からの適用が予定されています。