2012年1月13日 役員給与の給与所得控除改正は「当面なし」

1月6日に政府・与党で決定された 「税と社会保障の一体改革」 素案ですが、その中に、役員給与の給与所得控除を改正する旨の記述がありません。

平成24年度税制改正大綱では、給与収入が1500万円を超える給与所得控除について245万円の頭打ちを設けるよう改正したものの、役員給与等に係る給与所得控除については「税率構造を含む改革の方向性を踏まえ、引き続き検討していきます」と述べるに留まっていました。

そこで、一体改革法案のあり方が注目されていたのですが、法案素案では言及がまったく見られないことから、野党の反発を見越して改正そのものを棚上げした、という見方が支配的です。

もともと、特殊支配同族会社に対する課税があまりに悪評で、これを選挙公約通り廃止するのと「差し替える」ように提示されたのが、役員給与の給与所得控除の縮減案でした。

平成23年度税制改正法案が通っていれば、「天下の悪法」として成立していたものですが、当面、復活はないものとみて良いと思われます。