2013年3月29日 家賃契約の消費税経過措置

消費税率引き上げに伴う「経過措置」の適用が可能かどうかの判断は、消費税の経理処理にとどまらず、契約総額にも影響するため十分な注意が必要です。

家賃契約は「資産の貸付」に該当し、対価の額の変更を契約で禁止していれば、経過措置の対象となって、9月までの契約分には旧税率5%が適用されると考えられます。

ところが、借地借家法32条で、地価上昇、下落など事情変更があった場合には、賃料の増減請求ができると規定されており、個別の契約上、賃料変更の禁止が謳われている場合でも、増減請求の権利は確保されています。

そこで、家賃契約が「経過措置」の対象となるかどうかが、注目されていましたが、法令解釈通達により、借地借家法32条の存在にかかわらず賃料変更できる規定が契約書に記載されていなければ、「経過措置」の対象となることが明らかになりました。

 法令解釈通達はこちらから
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 http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/kansetsu/130325/130325.pdf

また、この通達によれば、賃料改定を行った場合には、改定後の賃料に経過措置は適用できないのが原則としつつも、賃貸人が修繕義務を履行しないなど「正当な理由に基づく」改定であれば、経過措置の適用は認められるとしています。

このあたりは、今後周知されてゆくものと考えられますが、思い込みでの判断は危険であることを痛感させられます。