2013年9月11日 非嫡出子差別違憲判決の影響 

非嫡出子に対する相続分を2分の1とする民法の規定が違憲であるとした、9月4日の最高裁判決の影響が注目されています。

判決文は、判決以後の相続と判決時点で未分割となっている事案に関してその効力が及ぶとされ、さかのぼって過去の事案が違憲とされるものではないとしています。

しかし、非嫡出子側からは「違憲無効状態の民法」にもとづいて行われた遺産分割協議そのものが、「錯誤により無効」と主張されることが十分考えられます。

仮に錯誤無効の訴えが認められた場合、遺産分割協議のやり直しとなり、減額された側は「更正の請求」、取得財産の増加した側は「修正申告」となります。

問題なのは、遺産分割のやり直しは税務上「贈与」として認識され、財産の取得分が増加した側に「贈与税」が課されるという点です。

ただし、財産の取得分の減る方つまり嫡出子側に「贈与の意思」があるとは到底考えることはできないため、従来の常識通りに直ちに判断できないようです。

近い将来、民法は改正されるでしょうが、税務上は単純に「将来の問題」とは言えないかもしれません。